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切ない想い

  • Posted by: 涙脆い管理人
  • 2014年2月10日 16:49
  • 友達

俺小4の頃から好きな女子(レイコ)が居て、初恋だったけど想いを打ち明けるなんてことは到底無理で胸がジクジクする日々だった。

でも5年6年と同じクラスになってそれなりに仲良くなって俺は不自然にならないように気をつけながら、態度で示そうとしていて、レイコも薄々俺の気持ちに気付いているのだろうと(勝手に)思い込んでいた。

そう思うとよけいに気持ちが溢れてきて、想いを伝えたい衝動が強くなって、夏休み前、修学旅行のときに告白しようと一大決心をした。

ところが出発一週間前になって、レイコが授業中急に

「お腹が痛い。」

と言い出して保健の先生が付き添って病院にいくと、急性盲腸炎で即入院・緊急手術。
レイコの修学旅行もパー。
俺の一大決心もパー。
になってしまった。

先生や女子たちが行けないレイコの為に色々と相談しているのを尻目に前の日にコッソリと見舞いに行った。

「男子でお見舞い来てくれたの○○君だけだね。」

って言われて、照れくさくてあんまり喋れないでいると、急にレイコが枕もとの小さなマスコットを手渡して

「これ私の代わりに連れて行ってくれる?」

なんて、俺はもう告白しなくてもOKがもらえた気分で有頂天になって、旅行中もハイテンションでお土産を散々迷って貝殻のアクセサリーにしたり、記念撮影では何気にマスコットも写るようにしてみたり・・・。
で帰ったらやっぱり改めて告白しようと心に決めて、次の日は振り替え休日だったけど退院予定日だったので遠慮して、さらに次の日の放課後にお土産とマスコットをもっていくことにした。

その日の昼休み同じクラスのTがやってきて

「お前レイコとS(隣のクラス)、付き合ってるの知ってた?」
「え゙ぇ!!」
「きのう女子がお土産もって行ったら、Sが家にいたんだってよ。」

俺は山の天辺から一気に奈落の底に突き落とされたような気分になって、結局その日は家に行けず、お土産を渡すこともマスコットを返すことも出来なかった。

レイコが登校してくるまでの一週間、Sとのことはすでに既成事実として学年全体に知れ渡りかといって誰もそのことを冷やかしたり話題にしたりはしなかった。

俺はそれまでの想いが大きかった分だけ落差が激しかったというのだろうか、マスコットを渡された思わせぶりな態度が恨めしいのもあって急激にレイコへの気持ちが醒めてしまい、二学期の運動会の練習で仲良くなった女子と初詣にいったりしてちょっといい雰囲気になっていた。

卒業も近づいたバレンタイン。
朝登校するとすぐに件の女子から呼び出しがあって、手作りチョコを渡された。
俺は自分が"モテた"という嬉しさもあってすぐその場で付き合うことに同意した。

俺にもやっと「春」が来たのだ。

でも他の奴らにバレるとややこしいのでその日は通学路の途中で待ち合わせて一緒に帰ることにして、俺はウキウキしながら放課後をまった。

と下足室で靴を履き替えていると後ろからレイコが呼び止めた。
俺は怪訝に思いながらもレイコに言われるまま職員駐車場の隅についていくと、振り返りざまにニッコリと微笑んでリボンのかかった小さな箱を取り出した。

「ハイ、これ。」
「え、なに?」
「なにってチョコ。貰ってくれる?」
「・・・は??・・S、怒るぞ?」
「え~どうしてS君が怒るの?」
「どうしってって彼氏・・・。」
「ばぁ~か、彼氏じゃないよ。何回も付き合ってって言われたけど断ったモン。」
「ぇ・・・。」
「ハイ、どうぞ。」

そういって箱を目の前に突き出した。
俺は頭がパニクッていて咄嗟に

「いらない!俺○○と付き合ってるし・・・。」

と口走ってしまった。

レイコは、ハッとしたような顔を一瞬してから見る見る目から涙が溢れてきた

「どうして?私のマスコットずっと持っててくれてたんじゃないの?そうだと思ってたのに・・・。」

今、卒業証書と一緒の箱にマスカットもしまっている。
とうとう返せなかった。

アルバムにはそれを手に持った俺のニヤケた顔が写っている。
あの時Sより先にお土産を渡しに行っていたら、その後の俺とレイコの人生はどう変わっていたのだろうかと考えることもあるが、今となってはどうすることも出来ない・・・。

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