- 2012年9月27日 15:53
- 家族
初めてのあかちゃんに無我夢中だった。
ろくに眠らず、夜鳴きもひどかった娘。
へとへとに疲れはてて、抱っこでゆすりながら
「あんたはママを苦しめたいの?ほんとにひどい子だ。」
と悪態をついた日々。
赤ん坊の気持ちなんて、全然わからない。
母親の自信なんて、みじんもない。
ただ、もがくだけの日々。
あれから数年たって、娘は五歳になった。
「あのね、ママ。」(もじもじ)
「なぁに?」
「あたしね、ママのこと、生まれたときからすきだったの。」
あの頃の私が一番聞きたかった言葉。
やっと聞けた。
こっそり台所で泣いた。
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