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野草摘み

  • Posted by: 涙脆い管理人
  • 2011年10月 6日 16:05
  • 家族

子供の頃、父が飲んだくれだった我が家は極度の貧乏だった。
しかし明るい母は、4人の子供とアル中の父を抱え朝は築地の魚市場、昼は貝類加工場、夜は寿司屋の店員と3つの仕事をこなしていて、寝てる間に帰って来る、目が覚めるともういない、の繰り返しで、1週間のうち、貝類加工場が休みの土曜日の昼間だけしか、顔を見る事が出来ない毎日だった。

そんなある土曜日、母がまだ就学前だった私を野草摘みに連れて行ってくれた。
普段、母と過ごす時間が無い私には春の野原で母と2人、つくしやフキを摘んだ事が本当に楽しく嬉しかった。

それから数十年が経ち、飲んだくれだった父は他界し子供達も大きくなった。

今では昔の苦労が嘘のような楽隠居生活を送る母に、ふっと野草摘みの事を思い出し

「あ~ちゃん(母の事)と野草摘みに行ったよね!普段は顔も 満足に見られなかったから、あの時は本当に楽しかった!」

と、何気なく言った私に

「あの頃は貧乏だったからね・・・。あんな野っ原に生えてる草まで食べさせて・・・すまなかったね。」

と母が泣いた。
子供だった私には、ただの楽しい野遊びだったけど、母に取っては子供達を飢えさせない為の苦肉の策だったんだね。
ありがとう。

それ以来、毎年この季節になると、あの楽しかった野草摘みを思い出しては、ちょっと胸がつまる・・・。

あ~ちゃん長生きしてね!

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