Home > 切ない系 > 貧乏が悪いんだ

貧乏が悪いんだ

  • Posted by: 涙脆い管理人
  • 2011年6月19日 14:59
  • 切ない系

148 名前: おさかなくわえた名無しさん 投稿日: 2011/05/31(火) 20:54:24.80 ID:9aQliOIb
小学生だった私は、弟と母親の3人暮らし。
父親は腕のいい職人だったけど、女作って家族を置いたままどこかへ行った。
残された母親は、女手一つで頑張ってくれた。
私達は貧乏で身なりが汚かったので、よく苛められた。

そんな、ある時家庭訪問をやる事で先生がうちにも来ることになった。
私は母親に

「恥ずかしいから先生に来てもらうの嫌だ。」

って言っら、酷く叱られた。

「貧乏なんてちっともはずかしくないんだよ。そんな事を言うなんて、もううちの子じゃない。」

って。

「だってお母さん、うちは先生に出すお菓子も買えないよ。」
「大丈夫よ、そんな事子供が気にしなくても。お母さんは、こう見えてもおはぎ作らせるとうまいんだ。おばあちゃんから習ったんだから。」
「ほんと?」
「本当さ。先生には美味しい手作りのおはぎを出すから安心しな。」

家庭訪問の前夜から母親は小豆を水に浸し、次の日は朝早くから煮込んでいた。
私と弟はわくわくしながら見ていた。
出来上がったおはぎをみんなで味見したら、それはもうとてもおいしかった。
あの時の味は今でも忘れない。

『先生も喜んでくれる。』

そう信じていた。
ところが先生は出されたおはぎに手をつけなかった。
母親が言った。

「先生手作りですけど、どうぞお召し上がりになって下さい。」
「いえ、せっかくですが、今お腹がいっぱいなので貰って帰ります。」

先生はそう言って紙に包んでカバンの中にしまった。

それから1時間後、私は土手下の草村で遊んでいて、投げ捨てられているおはぎを発見した。
紙包みからはみだしたおはぎが、無残に散らばっていた。

それが私の母の作ったおはぎだという事は、包んである紙を見てわかった。
どうして先生が捨てたのか、いろいろ考えた。
考えながら涙が流れてとまらなかった。

母が作ったおはぎが悪いんじゃない。
貧乏が悪いんだ。

コメント:0

コメントフォーム

Home > 切ない系 > 貧乏が悪いんだ

感動カテゴリ
サイト内検索
携帯用QRコード

携帯用QRコード

http://www.chatnavi.net/mobile/

携帯ではこちらからアクセスしてください。

Feeds

ページトップに戻る